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help リーダーに追加 RSS 地球温暖化の対策は原子力の利用なのか?

<<   作成日時 : 2006/10/31 01:36   >>

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2006.10.29の毎日新聞に全紙の4分の3ほどを占める広告があった。「ガイアの復讐―
地球温暖化に、どう立ち向かうか。――ジェームズ・ラブロック博士が語る地球再生への処方箋――」とある。
 日本原子力文化振興財団が広告主で、10月25日に第43回「原子力の日」記念シンポジウムを開催し、基調講演資料をもとに考え方をまとめたものだとして、三つの見出し、すなわち、「地球温暖化による、耐え難い酷暑の世界が迫っている」、「原因は、ガイアの気温調節能力を超えた人間の活動」、「原子力の活用が、気候変動を生き抜く助けとなる」のもとに、「ガイア理論」なるものを解説しつつ、原子力の利用こそが地球温暖化対策の決め手だというのだ。

 「我々が取るべき地球温暖化対応の成否は、いかに適切に科学と工業技術を活用できるかにかかっている。・・・なかでも、多くの国々にとって、原子力は住みよい環境と文明活動を維持する強力な助けとなるはずである」。「もはや、『持続可能な開発』や『再生可能エネルギー』といった概念で、今日の急激な変化を乗り切ることはできない。いま必要なのは、汚染され劣化した今日の世界から、計画的かつ持続的に撤退することである。そのための唯一の道は、科学技術を正しく受け入れ、原子力発電によって生み出される核分裂エネルギーを最大限に活用することである、と私は考える。・・・豊富な水や地熱で電力を起こせないような状況下で、安全で環境適合型の代替エネルギーを求めようとすれば、原子力以外にない。」(下線は筆者・須田)

 「原子力文化」などと書かれると、唖然となる。まあしかし、戦争文化、退廃文化、などの言葉も通用しているから、文化を冒涜しているとまでは言わない。
 この博士は「地球生理学者」らしい。地球を一つの生命体とする「ガイア理論」の提唱者という。ガイアとは、ギリシア神話の大地の女神の名だが、地球を生命体と観るのは異議なしだ。しかし、彼は、核物理学や放射線防護学、とりわけ原子力発電の安全性について、きょうまでの研究の蓄積や頻発する原発事故の実際について、どれほど該博な知見の持ち主なのだろうか?

 日本の原子力発電所でも重大事故が頻々と起きてきたが、今年9月14日、横須賀基地で米原子力潜水艦ホノルルが出港した際、天然には存在しない放射性物質が検出された。米軍は具体的な証拠を示さぬまま、同艦が原因であることを否定した。

 1968年5月6日、佐世保基地に停泊中の米原潜ソードフィッシュの周辺から通常の10〜20倍の放射能が検出されて大問題になった。日本の原子力委員会は、米側が実証データの提供も無いまま同艦原因説を否定したことに「甚だ遺憾」との見解を5月29日に発表、「わが国寄航中は原潜の原子炉の一次冷却水の艦外放出なきよう」と要請、しかし、米側は「技術上、作戦上の考慮から、決して放出しないなどは実行不可能」と主張。その後、放出は「例外」として認めるが、放出したとの事後通知をとの日本政府の要請をも拒否していた(1968年10月22日)。今年2006年4月17日、米政府は「合衆国原子力軍艦の安全性に関するファクトシート」を発表、「日本国の港を含め、沖合12海里以内においては、一次冷却水を含む液体放射性物質を排出することを禁じている」としている。

 残念ながら、国是の「非核三原則」も侵犯されていないとは断言できないし、アメリカの原子力艦船が日本の港で原子炉から第一次冷却水を放出していても、その事実をアメリカ政府が明かす事はなく、秘密裏の放出に固執している事は疑いない。

 原子力発電をめぐる事故、あるいは人身事故が絶えない。原発を廃棄する方針の国もあるくらいだ。日本原子力文化振興財団がいかなる団体・個人で構成され運営されているのか知らないが、『文化』という言葉を使えば人命尊重を旨としているかのように偽装できる社会なのだ。「美しい」と言えば海外で戦闘活動が公然と出来る国にする魂胆も隠せると考える政治家もいるから、日本語が騙しのための詐術に使われるのを嘆くばかりだ。

                2006.10.30 宇治市広野町宮谷82−7  須田 稔



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